不眠症の原因と治療法について – 医療機関で治療を受けるメリットは?医学的観点から解説

リリモアクリニック内科歯科 院長 各務 康貴

監修医師

各務 康貴

大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。
医療現場で予防の重要性や予防に取り組んでもらうことの難しさを痛感。美容という切り口で本質的な予防につなげる入口として、口腔という臓器に興味を持つ。口腔環境が多くの臓器に影響を及ぼし、多くの病気に繋がってしまうというポイントから予防について新聞・テレビ・WEBメディア等で情報を発信している。

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はじめに:不眠症の社会的影響

現代社会において、不眠症に悩む人は少なくありません。不眠症は、放っておくと、日常生活に影響を及ぼすだけでなく、仕事における生産性の低下や精神的健康の問題、さらには交通事故につながる可能性もあり、決して軽視できない問題です。早期に専門医に相談するのが望ましいでしょう。本記事では、不眠症の原因や治療法について解説します。

目次

1. 不眠症の定義と原因

不眠症の定義と原因

「不眠症」という言葉を聞いたことがあっても、どのような状態を指すのか、正確には知らないという方も多いかもしれません。まずは不眠症の定義とその原因について知っておきましょう。

(1) 不眠症とは何か

不眠症とは、一般的には、睡眠の質や量が不十分であり、日常生活に悪影響を及ぼす状態を指します。主な特徴としては、以下の3つが挙げられます。

  1. 入眠困難:寝床に入ってから30分以上経っても眠れない状態
  2. 維持困難:一晩中眠り続けることができず、何度も覚醒する
  3. 早朝覚醒:朝まで眠り続けることができず、早く目覚めてしまう

このような状況が1ヶ月以上続き、日中の活動に支障を来す場合、特に臨床的には不眠症と診断されることが一般的です。

(2) 不眠症の主な原因

不眠症の原因は多岐にわたり、生活習慣や心身の状態、さらには環境なども含まれます。

  1. 生活習慣による影響適度な運動不足や飲食習慣の乱れ、アルコールやカフェインの摂取過多
  2. 心身の状態ストレス、うつ病、不安障害などの心の問題や、身体の病気
  3. 環境要因騒音や明るい光、寝具の不適切さなど

これらの原因を把握し、自身にあてはまるものがあれば改善を考えるとよいでしょう。しかし、自己判断ではなく専門の医療機関に相談することも重要です。

2. 不眠症の症状と影響

不眠症の症状と影響

不眠症には多くの症状があり、睡眠の質や量だけでなく、日常生活にまで影響を及ぼしてしまうものです。ここでは、主な症状と身体と心に対する影響について紹介します。

(1) 不眠症の主な症状

不眠症の主な症状には以下のようなものがあります。

  1. 入眠困難寝床に入ってもなかなか眠れない状態。特に就寝時間が近くなると不安感が増し、余計に眠れないという悪循環を生み出すこともある。
  2. 中途覚醒一度寝付いた後、夜中に何度も目が覚めてしまう状態。一度目が覚めると再び眠りにつくのに時間がかかることも。
  3. 早朝覚醒朝方、時間より早く目が覚めてしまい、その後二度と寝付けない状態
  4. 睡眠の質の低下:寝ている時間はあるものの、熟睡感がなく、起きた時にすっきりしない、日中に眠気がある等

これらの症状は、不眠症を診断する際の重要な指標となります。

(2) 不眠症が身体と心に与える影響

不眠症の影響は、身体だけでなく、精神的な健康にも及びます。主な影響は次のとおりです。

身体的影響精神的影響
短期的影響疲労感、集中力低下不安感、イライラ
長期的影響免疫力低下、高血圧うつ病、パニック障害

短期的には疲労感や集中力の低下が見られるほか、気分が不安定になりやすいでしょう。長期的には、免疫力の低下や高血圧、心疾患などのリスクが高まります。また、うつ病やパニック障害などの精神疾患を発症することもあります。

心身の健康を守るためには、睡眠の質を改善することが大切です。不眠症に悩む方は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることをお勧めします。

3. 医療機関での不眠症の診断と治療

医療機関での不眠症の診断と治療

不眠症について医療機関で相談した場合、どのように診断、治療してもらえるのでしょうか。医療機関での診断過程と治療法のほか、医療機関に相談するメリットについて紹介します。

(1) 医療機関での診断過程

不眠症の診断は、専門医による症状、生活習慣、精神状態などの詳しい聞き取りから始まります。これを初診面談といいます。

次に、睡眠パターンを把握するため、一定期間「睡眠日誌」の記入を指導されるでしょう。これにより、睡眠時間や生活リズム、飲食状況等の詳細なデータを収集します。

さらに、重度の不眠症や、他の睡眠障害が疑われる場合は「睡眠検査」を実施することもあります。これは、専門の医療機関で一晩寝てもらい、脳波や心拍数を測定することで、睡眠の質や深さ、問題点を詳細に把握する検査です。

以上の診断過程を経て、医師は患者の不眠症の程度や原因を判断し、最適な治療方針を立てます。適切な診断は、効果的な治療へとつながる非常に重要なプロセスです。

(2) 薬物療法と行動療法

不眠症の治療には、主に薬物療法と行動療法の2つのアプローチが存在します。

薬物療法では、次のような睡眠を促す薬や、不安を和らげる薬などが処方されます。

薬物名効果・用途
ベンゾジアゼピン系睡眠を促進する
非ベンゾジアゼピン系睡眠の質を改善する
抗うつ薬不安症状を和らげる

一方、行動療法では、生活習慣の改善やリラクゼーションテクニックなどを学び、睡眠パターンの改善を試みます。具体的には、定時就寝・起床、昼寝の制限、カフェイン摂取の制限などを実施することになるでしょう。これらは医師や専門家の指導のもとで行われます。

これら2つのアプローチは、一方だけでなく、時には併用して行われることもあります。最適な治療法は個々の症状や生活習慣により異なるため、医療機関での適切な診断と指導が重要です。

(3) 医療機関での治療のメリット

不眠症の治療は、自己判断で行うよりも専門的な知識を持つ医療機関に任せることをおすすめします。その理由は次のようなメリットがあるからす。

  1. 原因の特定と適切な治療法の提案を受けられる:様々な検査によって睡眠障害の原因を発見でき、原因に合わせた最適な治療を受けられる。
  2. 適切に薬物療法を受けられる:専門的な知識を持つ医療スタッフの指導のもとで使用することで、適切な用量と期間が守られ、副作用のリスクも低減する。
  3. 心理的なサポートを受けられる:不眠症は精神的な要因も大きいため、心理療法などを通じて心のケアも行うことで、総合的な改善が期待できる。

以上のように、医療機関での治療は、不眠症の克服に大いに役立つと言えます。

4. まとめ:自らが不眠症であることを認識し、適切な治療を求める重要性

不眠症は、自覚症状があるにも関わらず放置されがちな疾患です。しかし、そのままにしておくと生活の質が低下し、身体や心の健康を損なう恐れがあります。 自身が不眠症であることを認識するためには、以下のような自己チェックが役立ちます。

【不眠症の自己チェック】

  • 常に疲れている
  • 集中力が欠ける
  • いつもイライラしている
  • 長時間眠っても休息感がない

これらの項目に複数該当する場合、不眠症の可能性があります。早めに医療機関を受診し、専門的な治療を受けることで、健康な毎日を取り戻すことが可能です。不眠症には医学的な治療が必要なことを理解し、適切なステップを踏むことが大切です。

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大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。
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