アフターピル(緊急避妊ピル)と低用量ピルの違いとは?代用はできる?また併用はできるのか?を医師が徹底解説

「アフターピルとはどのようなものか知りたい」もしくは「低用量ピルを普段から飲んでいるがそれで避妊ができるのか知りたい」などという方がいらっしゃると思います。

アフターピルと低用量ピルの違いがわからず、代用や併用はできるのか気になる方もいるかもしれません。

本記事では、アフターピルと低用量ピルの違いや服用について、専門の資格を持つ医師が解説します。

リリモアクリニック内科歯科 院長 各務 康貴

監修医師

各務 康貴

大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。
医療現場で予防の重要性や予防に取り組んでもらうことの難しさを痛感。美容という切り口で本質的な予防につなげる入口として、口腔という臓器に興味を持つ。口腔環境が多くの臓器に影響を及ぼし、多くの病気に繋がってしまうというポイントから予防について新聞・テレビ・WEBメディア等で情報を発信している。

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目次

アフターピルと低用量ピルの主な違い

アフターピルと低用量ピルは、いずれも避妊に用いられる経口薬ですが、その目的や使用方法には大きな違いがあります。主な相違点を以下の表にまとめました。

項目アフターピル低用量ピル
目的緊急避妊日常的な避妊
使用タイミング性行為後72時間もしくは120時間以内毎日定時に服用
有効成分レボノルゲストレルまたはウリプタル酢酸エステルエストロゲン+プロゲステロン
含有量高用量低用量
避妊効果の仕組み排卵抑制・受精卵着床阻害排卵抑制・子宮内膜変化
服用期間1回限り継続的(21日間または28日間)

アフターピルは緊急時の一時的な避妊法であるため、1回の服用で完結します。一方、低用量ピルは日常的な避妊法として、継続的な服用が必要です。基本的に21日間連続で服用した後、7日間の休薬期間を設けるという方法で服用します。この28日周期を繰り返すことで、避妊効果を得られます。

服用期間と頻度の違いは、それぞれのピルの目的や作用機序の違いを反映しています。適切な使用法を守ることが非常に重要です。

アフターピルの特徴と使用法

アフターピル(緊急避妊ピル)は、避妊に失敗した際や性的暴行を受けた場合などに使用する緊急避妊薬です。その特徴と使用法について詳しく見ていきましょう。

  1. 緊急避妊の仕組み
  • 排卵を遅らせる
  • 受精卵の着床を阻害する
  1. 適切な服用タイミング
  • 72時間用:性行為後72時間以内(できるだけ早く)
  • 120時間用:最大120時間以内まで有効(できるだけ早く)
  1. 効果と避妊成功率
服用タイミング72時間用成功率120時間用成功率
24時間以内約95%約99%
24-72時間約85%約98%
72-120時間約98%
  1. 副作用と注意点
  • 吐き気、めまい、頭痛などの一時的な症状
  • 次の月経が不規則になる可能性
  • 定期的な避妊法として使用しないこと

アフターピルは緊急時の避妊に有効ですが、適切に服用しなければなりません。72時間用と120時間用の違いを理解し、副作用や注意点に留意しつつ、医師の指導の下服用しましょう。

低用量ピルの特徴と使用法

低用量ピルは、日常的な避妊効果を持つ経口避妊薬です。以下にその特徴と使用法をまとめます。

  1. 日常的な避妊効果
  • 正しく服用すれば99%以上の避妊効果がある
  • 毎日決まった時間に服用することが重要
  1. 服用サイクルと継続性
  • 通常21日間連続で服用し、7日間の休薬期間を設ける
  • 長期的な使用が可能で、継続的な避妊効果が得られる
  1. 避妊以外の効果
  • 月経痛やPMS(月経前症候群)の症状改善
  • ニキビの改善
  • 月経周期の調整
  1. 副作用と注意点

次のような副作用があります。

副作用対処法
吐き気就寝前に服用
不正出血数ヶ月で改善傾向
血栓症リスク喫煙者は要注意

低用量ピルの使用を検討する際は、必ず医師に相談し、自身の体質や生活習慣に合わせて適切な選択をすることが大切です。

アフターピルと低用量ピルの代用可能性

アフターピルと低用量ピルは、それぞれ異なる目的と効果を持つため、原則として互いに代用することはできません。

アフターピル(緊急避妊ピル)の代わりに低用量ピルが代用できるか?

低用量ピルには緊急避妊効果はありません。中用量ピルであればヤッぺ法などを用いて避妊を行うことがありますが避妊効果も低く副作用も比較的大きいため、アフターピルがどうしても入手できない場合のさらなる緊急手段になります。

低用量ピルの代わりにアフターピル(緊急避妊ピル)が代用できるか?

低用量ピルの代わりにアフターピル(緊急避妊ピル)を代用することはできません。その理由は以下の通りです。

  • 目的の違い:
    • 低用量ピル:日常的な避妊
    • アフターピル:緊急時の避妊
  • 使用方法の違い:
    • 低用量ピル:毎日継続して服用
    • アフターピル:性交渉後72時間以内に1回のみ服用
  • ホルモン量の違い:
    • 低用量ピル:少量のホルモンを含有
    • アフターピル:高用量のホルモンを含有

アフターピルは緊急時のみに使用する薬剤であり、頻繁な使用は体への負担になります。また、低用量ピルのような避妊効果や月経周期の調整効果は期待できません。

そのため、日常的な避妊や月経関連症状の改善を目的とする場合は、医師の診断を受けて適切な低用量ピルを処方してもらうことが重要です。アフターピルはあくまでも緊急避妊の手段であり、通常の避妊法の代替にはなりません。

アフターピルと低用量ピルの併用

低用量ピル使用時にアフターピルの併用が可能か?

低用量ピルを正しく服用している場合でも、以下のような状況ではアフターピルの併用が可能です。

  • 低用量ピルの飲み忘れが2錠以上ある場合
  • 嘔吐や激しい下痢により低用量ピルの吸収が不十分な可能性がある場合
  • 性行為の際にコンドームが破れたり外れたりした場合

ただし、併用する際は以下の点に注意が必要です。

  1. 医師の指示に従う:自己判断せず、必ず医師に相談しましょう。
  2. 服用タイミング:アフターピルは性行為後72時間または120時間以内に服用します。
  3. 副作用の可能性:ホルモン量が増えるため、吐き気や不正出血などの副作用が強く出る可能性があります。

まとめ:それぞれのピルの適切な選択と使用

アフターピルと低用量ピルは、用途や使用方法が異なる避妊薬です。それぞれの特徴をまとめると以下のようになります。

特徴アフターピル低用量ピル
使用タイミング緊急時(性交後72時間または120時間以内)日常的な避妊
服用期間1回のみ継続的に服用
主な効果緊急避妊計画的避妊、月経痛軽減

また、適切な選択と使用のポイントは以下の通りです。

  • アフターピル:緊急時のみの使用を心がけ、定期的な避妊法としては用いない
  • 低用量ピル:計画的な避妊や月経関連症状の改善に適しているが、継続的な服用が必要
  • 両者の代用や併用は原則として避け、医師の指示に従う

ピルの選択は個人の生活スタイルや体質に合わせて行うことが大切です。適切な避妊法について不安がある場合は、必ず専門医に相談しましょう。

8. 専門資格を持つ医師からのアドバイス

アフターピルと低用量ピルの選択や使用方法について、医師からのアドバイスをご紹介します。

  1. 必ず診察を受けて服用するようにしましょう。
  2. 正しい避妊法の選択
    以下の表を参考に、自分に合った避妊法を選びましょう:
避妊法特徴適している人
アフターピル緊急時の避妊に有効避妊に失敗した人
低用量ピル日常的な避妊に効果的計画的な避妊を望む人

医師との相談を通じて、自分に合った避妊法を選択することが大切です。また、定期的な健康診断を受けることで、副作用や体調の変化にも早めに対応できます。避妊に関する不安や疑問は、ためらわずに専門医に相談しましょう。

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リリモアクリニック内科歯科 院長 各務 康貴
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大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。
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