医療ダイエット

医療ダイエット

医療ダイエット入門!種類と特徴、メリットからデメリットまで徹底解説

リリモアクリニック内科歯科 院長 各務 康貴

監修医師

各務 康貴

大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。
医療現場で予防の重要性や予防に取り組んでもらうことの難しさを痛感。美容という切り口で本質的な予防につなげる入口として、口腔という臓器に興味を持つ。口腔環境が多くの臓器に影響を及ぼし、多くの病気に繋がってしまうというポイントから予防について新聞・テレビ・WEBメディア等で情報を発信している。
目次

1. はじめに

はじめに

ダイエットの方法はいろいろありますね。自己流のダイエットやジムでのトレーニングなど、それぞれ自分に合った方法を探している方も多いのではないでしょうか。しかし、自己流ダイエットでは、成功するも失敗するもすべて自分次第。それに、偏った食事や運動ばかりになってしまい、健康に悪影響を及ぼすこともあります。そんな中、「医療ダイエット」は、医療の専門家がしっかりとサポートしてくれるダイエット方法です。この記事では、「医療ダイエット」の基本から、具体的な方法、メリット・デメリットまでを詳しく紹介します。「医療ダイエット」について知ることで、より安全で効果的なダイエットが可能になります。ぜひ最後まで読んでみてください。健康的なダイエットライフの参考にしていただけたら嬉しいです。

2. 医療ダイエットとは

(1) 医療ダイエットとは何か

医療ダイエットとは、医療機関で提供される健康的な体重減少を目指すプログラムのことを指します。医師や栄養士などの専門家が個々の体質や生活習慣に合わせた食事管理や運動療法を指導するだけでなく、必要に応じて薬物療法を用いる場合もあります。

以下の表に、主な医療ダイエットの具体的な方法を示します。

方法説明
食事管理一日の摂取カロリーや食事の内容を管理します。
運動療法身体活動を増やし、消費カロリーを増加させます。
薬物療法特定の薬物を用いて、食欲を抑えたり脂肪の吸収を抑制したりします。

これらの方法は、しっかりとした科学的根拠に基づいており、健康状態を損なうことなく、持続可能な体重減少を実現することが可能です。

(2) 医療ダイエットの対象者

医療ダイエットの対象者は、一般的に次の3つの条件を満たしている方です。

  1. BMI(体格指数)が25以上であり、肥満と診断されている
  2. 適切な食事制限や運動療法を試みても体重が減らない
  3. 高血圧、糖尿病などの生活習慣病を併発している

これらは一例であり、医療ダイエットを開始するためには医師の診断が必要です。医療ダイエットは一般的なダイエットと違い、専門的な知識が求められるため、自己判断で行うべきではありません。特に、既存の持病や体質により、適応外の場合もあります。安全に効果的なダイエットを行うためにも、必ず専門医と相談しましょう。

3. 医療ダイエットの種類と特徴

(1) GLP-1

GLP-1とは、”Gut hormone Glucagon-Like Peptide-1″の略称で、膵臓からインスリンを分泌させる働きを持つホルモンの一種です。医療ダイエットにおけるGLP-1は、このホルモンの作用を模倣した薬剤となります。

GLP-1作用薬の主な効果は、食事によって血糖値が上昇した場合に限り、インスリンを分泌させて血糖値を下げるというものです。さらに、胃腸の働きを遅らせることで満腹感を感じやすくし、食欲を抑制します。

これらの作用により、摂取カロリーを自然に減らし、体重減少につながるとされています。ただし、使用には医師の指導が必要で、副作用や投与方法などに注意が必要です。具体的な副作用などは下記の表にまとめたものをご覧ください。

【表1. GLP-1作用薬の特性と注意点】

特性注意点
食欲抑制食事のバランスを崩さないよう注意
血糖値の安定低血糖を起こさないよう注意
投与方法が注射(内服も登場)セルフケアが必要

以上がGLP-1作用薬の基本的な特性と注意点です。この薬を使用する際は、医療機関でしっかりと指導を受けるようにしましょう。

GLP-1受容体作動薬は、体内のインスリンの分泌を増やし、血糖値の上昇を抑える効果がありますが、一部の患者さんには副作用が報告されています。主な副作用としては、吐き気や嘔吐、下痢、便秘などの消化器系の症状が挙げられます。これらは、薬の使用初期によく見られ、多くの場合、用量を調整することで改善します。しかし、これらの症状が強い、または長期間続く場合には医師に相談することが推奨されています。また非常に低い確率ではあるものの、膵炎や胆嚢炎などの重篤な副作用も報告されていますので、これらの症状を感じた場合もすぐに医師に相談する必要があります。

(2) SGLT2阻害薬

SGLT2阻害薬は、おしっこから排出される糖分を増やすことで血糖値を下げる新たなタイプの糖尿病治療薬です。SGLT2は、腎臓の尿細管でブドウ糖を再吸収する役割を果たしています。これを阻害することで、尿中に排出される糖の量が増え、結果的に血糖値が下がります。

また、尿中に糖が排出されるという過程でカロリーも一緒に排出されるため、SGLT2阻害薬は体重減少にも寄与します。つまり、医療ダイエットにおいても一定の効果が期待できます。

ただし、副作用として尿路感染や脱水症状が報告されているため、使用に当たっては医師の指導が必要です。

尿路感染と聞くと、何かと心配になるかもしれませんが、SGLT2阻害薬の利用により、普段糖が存在しない尿中に糖分が増えるため、尿路感染のリスクが若干高まるとされています。

しかし、適切なケアと医師の指導の元での使用により、このリスクは最小限に抑えることが可能です。具体的には、十分な水分補給や清潔なトイレ環境の維持などが挙げられます。

脱水症状に関しても水分を多く摂取するなどをこころがけることが必要です。

(3) 漢方薬

漢方薬は、中国古来の伝統医学に基づいたダイエット法の一つです。特定の症状に対応するために複数の生薬が調合されています。その中でもダイエットに効果的な漢方薬として、”防風通聖散”や”半夏厚朴湯”が存在します。

例えば、”防風通聖散”は水分代謝を正常に保つ効果があるため、体内の余分な水分を排出しやすくします。一方、”半夏厚朴湯”は消化機能を整え、食欲を抑える作用があります。

漢方薬効果
防風通聖散水分代謝を正常に保つ
半夏厚朴湯消化機能を整える、食欲を抑える

ただし、漢方薬は体質や症状により効果が異なるため、専門的な知識を持つ医師や薬剤師と相談しながら使用することが推奨されます。

(2) 脂質を抑える薬

脂質を抑える薬とは、主に食事から摂取した脂質の吸収を抑制し、体内への取り込みを減らすことで、体重管理をサポートする医療ダイエットの一つです。

主な薬剤には「オルリスタット」などがあります。これは、消化酵素リパーゼを抑制することで、摂取した食物中の脂肪が分解されにくくなる効果があります。摂取した脂肪が分解されにくくなると、そのまま体外へ排出されるため、脂肪の吸収が抑制されます。

しかし、この薬は脂肪溶解性ビタミン(A、D、E、K)の吸収も阻害するため、長期間の服用には注意が必要です。必要な栄養素が不足すると体調不良を引き起こす可能性があります。

4. 医療ダイエットのメリットとデメリット

(1) メリット

医療ダイエットは、専門的なアドバイスを受けながら、現在の健康状況や過去の病歴などもこうりょしつつ効果を得やすい点がメリットです。

– a. 専門的なアドバイス

医療ダイエットの一番のメリットとして挙げられるのが、専門的なアドバイスが受けられる点です。体重を減らすだけでなく、健康的に体重を落とすためには、栄養学や生理学に基づいた専門的な知識が必要となります。医療ダイエットでは、医師や栄養士などの専門家から直接アドバイスを受けることが可能です。

例えば、適切な食事内容や運動量、さらには日々の生活習慣まで、個々の体調や目標に合わせて具体的な指導が行われます。身体の状態を細かくチェックしながら、最適なアドバイスを受けることで、効率的で健康的な減量を実現することが可能になります。

これらの専門的なアドバイスは、自己流のダイエットでは得られない価値ある情報であり、医療ダイエットの大きな魅力と言えるでしょう。

– b. 持病への配慮

医療ダイエットのメリットとして大きな魅力となるのが、持病への配慮です。

具体的には、医療ダイエットでは医師が個々の体質や持病を考慮した上で、適切なダイエット法を提案します。 例えば、糖尿病の方に対しては、血糖値を管理しながら体重を減らすことが可能なGLP-1やSGLT2阻害薬といった薬を用いた治療を行います。

また、高血圧や高脂血症といった病気を抱えている方に対しても、それぞれの病状に応じたアプローチが可能となります。

以下に、持病に応じた主な治療法を表にまとめました。

持病主な治療法
糖尿病GLP-1, SGLT2阻害薬
高血圧低塩分食, 睡眠アプローチ
高脂血症低脂肪食, 漢方薬

このように、医療ダイエットでは個々の状況を詳細に考慮した上で、効果的かつ安全に体重を落とすことが可能となるのです。

– c. 安全性と効果

医療ダイエットの大きなメリットとして、「安全性」と「効果」が挙げられます。まず、安全性についてですが、医療ダイエットは専門医の監修のもと行われます。これにより、健康への影響を最小限に抑えつつ、必要な栄養素を摂取することが可能です。

また、効果についてですが、医療ダイエットは科学的根拠に基づいて設計されています。つまり、無理なく体重を落とし、健康を維持することが期待できるのです。

メリット詳細
安全性専門医の監修下で行うため、健康への影響を最小限に抑える
効果科学的根拠に基づくため、無理なく体重を落とし、健康を維持できる

以上、安全性と効果は医療ダイエットが選ばれる大きな理由の一つです。

(2) デメリット

さて、医療ダイエットには多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。

– a. 費用

まず最初に挙げられるのが費用です。医療ダイエットは病院の指導の下行われるため、自己負担が高くなります。保険適用外の治療もあり、全体的な費用は個々の病院によりますが、一般的には数万円から数十万円が必要となることが多いです。

– b. 適応外の場合のリスク

次に、医療ダイエットは必ずしも全員に適応するわけではなく、特定の条件を満たした人のみが対象となります。そのため、自己判断で薬を服用した場合や不適切な方法でダイエットを試みると、健康被害を引き起こす可能性もあります。

– c. 取り組みの継続性

医療ダイエットのデメリットとして、また重要なポイントとして挙げられるのが「取り組みの継続性」です。

医療ダイエットは一時的な対策ではなく、長期的な視点で取り組むべきものです。例えば、薬を使用する場合でも、一定期間服用したからといってすぐに効果が出るわけではありません。また、食事制限や運動習慣など生活習慣の見直しも、一度始めたからといってすぐに体重が落ちるわけではなく、日々の取り組みが必要です。

しかし、医療ダイエットは自己管理だけでなく、医療専門家と連携しながら取り組むため、その負担感は一般的なダイエットと比べて大きくなる可能性があります。そのため、この取り組みを続けるためには、自分自身のモチベーションを保つことが大切です。

モチベーションの維持方法としては以下のようなものがあります。

  1. 小さな目標を設定する
  2. 成果を記録して、進捗を確認する
  3. 医療専門家との定期的な面談を利用して、フィードバックを得る

これらのポイントを意識しながら、医療ダイエットを成功させるためには、日々の取り組みと結果を見つめ直し、自分自身を褒めることも忘れないでください。

5. 医療ダイエットを成功させるためのポイント

(1) 運動を取り入れる

医療ダイエットを成功させるためには、薬物だけでなく適度な運動も大切です。運動は、消費カロリーを増やすだけでなく、体の代謝を活発にし、ダイエット効果を高めます。

運動の種類は多いですが、以下に効果的なものを示します。

運動の種類効果
ウォーキング低強度で長時間続けられ、日常生活に取り入れやすい
ヨガ筋力向上と共にストレス緩和効果も
ストレッチ筋肉の柔軟性を保ち、血流改善

ただし、無理な運動は体に負担をかけるだけでなく、継続も難しくなります。自身の体調や運動能力に合わせた運動を選んで、楽しみながら続けましょう。運動初心者は医師やトレーナーに相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。

(2) 栄養バランスを考える

医療ダイエットを成功させるためには、単にカロリーを制限するだけでなく、栄養バランスを考えることが重要です。

まず、含まれる三大栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質)のバランスを見直すことから始めましょう。以下に一般的なバランスを示します:

栄養素割合
炭水化物50-60%
脂質20-30%
タンパク質10-20%

次に、食物繊維やビタミン、ミネラルなどの微量栄養素も必要です。これらは体の機能を維持し、ダイエット中の体調不良を防ぐ役割を果たします。

以上のように、医療ダイエットでは栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。ただし、個々の体質や健康状態により最適な栄養バランスは異なりますので、医療機関のアドバイスを受けながら適切な食事計画を立ててください。

(3) 睡眠時間を確保する

睡眠は、体調管理に必要不可欠な要素の一つです。これは医療ダイエットにおいても同様で、適切な睡眠時間を確保することが重要となります。

何故なら、睡眠不足は食欲を増進させるホルモンを増やし、満腹感を司るホルモンの分泌を減らします。その結果、食欲が増し、ダイエットの妨げとなるのです。また、深い眠りにより成長ホルモンが分泌され、脂肪の燃焼を助けると言われています。

したがって、毎日の睡眠時間は平均で7〜8時間を目指してください。また、可能であれば23時〜2時の間に就寝すると、質の良い睡眠が得られます。

医療ダイエットの成功のために、睡眠環境の改善にも取り組みましょう。寝室の温度や湿度、寝具の選び方、スマートフォンやパソコンなどの電子機器の使用を控えるなど、快適な睡眠を追求しましょう。

(4) ストレス管理を行う

ストレスはダイエットの大敵です。過度のストレスは食欲を増進させ、無意識のうちに大量の食事をとる「ストレス食い」を引き起こすことがあります。さらに、ストレスは体内のホルモンバランスを崩し、脂肪の蓄積を促進する可能性もあります。

そこで医療ダイエットでは、ストレス管理も重要な要素となります。例えば、リラクゼーションを促すヨガや瞑想、好きな音楽を聞く、趣味を楽しむなど、自分に合ったストレス発散方法を見つけることが大切です。

また、適度な運動はストレス解消に有効です。運動は心地よい疲労感を与え、良質な睡眠を促します。これによりストレスホルモンの分泌が抑制され、ダイエット効果が期待できます。

医療ダイエットを成功させるためには、体重だけでなく心の健康もケアすることが求められます。自分自身のストレスレベルをチェックして、適切なストレスマネジメントを行いましょう。

6. まとめ

今回、医療ダイエットの概要から種類、メリット、デメリットまでを解説しました。医療ダイエットは専門家の指導を受けながら、持病に配慮しつつ安全に体重を減らす方法です。その一方で、費用や適応外のリスク、取り組みの継続性が課題となる場合もあります。

成功のポイントとしては、運動を取り入れ、栄養バランスを考慮し、十分な睡眠時間を確保すること、そしてストレス管理を行うことが挙げられました。これらを踏まえた上で、自己の体質や生活習慣に最適化したダイエットを行うことが重要であると言えます。医療ダイエットは一人ひとりに合ったプランを立てることが可能なため、自身の健康状態や目標によっては有効な手段となるでしょう。

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リリモアクリニック内科歯科 院長 各務 康貴
リリモアクリニック内科歯科 院長
各務 康貴

大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。
医療現場で予防の重要性や予防に取り組んでもらうことの難しさを痛感。美容という切り口で本質的な予防につなげる入口として、口腔という臓器に興味を持つ。口腔環境が多くの臓器に影響を及ぼし、多くの病気に繋がってしまうというポイントから予防について新聞・テレビ・WEBメディア等で情報を発信している。

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