男性AGA・女性AGA

男性AGA・女性AGA – それぞれの原因・特徴・治療法について解説

リリモアクリニック内科歯科 院長 各務 康貴

監修医師

各務 康貴

大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。
医療現場で予防の重要性や予防に取り組んでもらうことの難しさを痛感。美容という切り口で本質的な予防につなげる入口として、口腔という臓器に興味を持つ。口腔環境が多くの臓器に影響を及ぼし、多くの病気に繋がってしまうというポイントから予防について新聞・テレビ・WEBメディア等で情報を発信している。
目次

1.はじめに

はじめに

薄毛や抜け毛、頭髪の減少に悩む方は少なくありません。実はこれらの症状の多くはAGA(男性型脱毛症)や女性AGA(女性型脱毛症)と呼ばれる疾患によるものです。今回の記事では、男性AGAと女性AGAのそれぞれの特徴や原因、そして治療法について詳しく解説していきます。

男性と女性で起こるAGAの症状や進行形式、原因などは異なります。そのため、適切な対策を行うには、自己の症状が男性AGAなのか女性AGAなのかを理解することが重要です。AGAの予防や早期発見も含め、頭髪に関する悩みを解決するための情報を提供します。あなたの日々の頭髪ケアにぜひお役立てください。

2.AGA(男性型脱毛症)とは

AGA(男性型脱毛症)とは

(1)AGAの定義

AGAは「Androgenetic Alopecia」の略で、日本語では「男性型脱毛症」と訳されます。しかし、男性だけでなく女性にも見られる現象であり、一般的には「成人男性特有の進行性の脱毛」を指します。これは、頭頂部や生え際の髪が徐々に薄くなる症状を言います。

AGAの主な特徴は以下の通りです。

特徴説明
成人男性に多い女性よりも男性に多く見られる
頭頂部から薄くなる頭頂部や生え際から薄くなる傾向がある
進行性治療しないと脱毛は進行する

以上を踏まえると、AGAは「主に成人男性に見られ、頭頂部から薄毛が進行する型の脱毛症」であると定義できます。 次なる小見出しでは、このAGAがなぜ発生するのか、その原因を詳しく見ていきましょう。

(2)AGAの原因

AGAの主な原因は、「男性ホルモン」や「遺伝」によるものです。

まず、男性ホルモンに注目しましょう。男性ホルモンの一種である「ジヒドロテストステロン(DHT)」が多いと、毛母細胞の活動が抑制され、結果として毛髪が細く短くなり、脱毛につながるのです。

次に、遺伝の影響です。AGAは遺伝性の高い疾患で、親や祖父にAGAの人がいると、その子孫にもAGAが現れやすいと言われています。

また、ストレスや食生活の乱れ、睡眠不足などの生活習慣も影響します。これらは毛髪のサイクルを乱すため、脱毛を促進する可能性があります。

以下にそれぞれの影響を表で示します。

原因影響
男性ホルモン(DHT)毛母細胞の活動抑制→脱毛
遺伝遺伝性の高い疾患→AGA発症率上昇
生活習慣毛髪のサイクル乱れ→脱毛促進

このように、AGAの原因は複数あり、それぞれが絡み合って脱毛を引き起こします。

3.男性AGAの特徴

男性AGAの特徴

(1)成人男性に多い

AGA(男性型脱毛症)は、特に成人男性に多い症状で、青年期から見られることもあります。その発症率は以下の表の通り年齢とともに上昇します。

【表1】

年齢AGA発症率
20代約12%
30代約30%
40代約40%
50代約50%

このように、年齢とともにAGAの発症率が高まることから、早期のケアが重要となります。また、遺伝的要素も関与しており、親や祖父がAGAだと発症リスクはさらに高まります。周囲の人間も同じように悩まされていることを理解することで、恐怖感を和らげ、適切な対策を考えるきっかけになるでしょう。

(2)頭頂部から薄くなるパターン

男性におけるAGAの特徴的なパターンとして、頭頂部から薄くなる現象があります。初期段階では、頭のてっぺん周辺の髪が細く短くなり、次第に範囲が広がります。一般的には、M字型に進行することが多く、最終的には円形に頭頂部が薄くなっていきます。下表をご覧ください。

ステージ症状
初期M字型に髪が後退し始める
中期頭頂部の髪が薄くなる
進行期頭頂部の髪の薄さが顕著に

このパターンを早期に察知することで、適切な治療を開始し、脱毛の進行を抑えることが可能です。頭皮の変化に気付いたら、専門医に相談しましょう。

(3)治療方法・対策

男性AGAと女性AGAの治療法には共通点と相違点があります。

【男性AGAの治療法・対策】 主な治療法は、内服薬(例:フィナステリド)や外用薬(例:ミノキシジル)の使用、そして植毛手術が挙げられます。これらは医師の診察と指導のもと行われるため、自己判断で始めることは避けてください。また、頭皮環境を整えるためのシャンプーや食生活の改善も重要です。

【女性AGAの治療法・対策】 女性AGAの治療も男性と同様に、内服薬や外用薬の使用が一般的です。ただし、女性の場合はホルモンバランスの調整が重要となるため、適切な医療機関での診断と治療が必要です。食生活の改善や適度な運動によるストレス管理も忘れずに。

いずれの治療法も早期発見・早期治療が鍵となります。自身の頭皮状態を定期的にチェックし、異変を感じたらすぐに専門医に相談しましょう。

4.女性AGA(女性型脱毛症)とは

女性AGA(女性型脱毛症)とは

(1)女性AGAの定義

女性AGAとは、Female Androgenetic Alopeciaの略で、医学的には「女性型脱毛症」と訳されます。男性ホルモンによる影響が女性の髪の毛にも及ぶことで起こります。女性においても男性と同様、遺伝的要素やホルモンのバランス、加齢などが影響して発症します。

女性AGAの特徴は、髪の毛の量が全体的に減少し、頭皮が透けて見えるようになることです。特に分け目から広がり、全体的に髪が細くなり、ボリュームがなくなるのが一般的です。しかし、男性AGAと比較すると、女性AGAは頭頂部だけピンポイントで薄くなるパターンは少ないと言われています。

また、女性AGAは閉経後や更年期に多く見られますが、若い女性でも発症する場合もあります。男性ホルモンの影響を受けやすい体質やストレスなどが関連していると考えられており、ケアや治療法もそれに合わせたものが必要となります。

(2)女性AGAの原因

女性AGAの主な原因としては、主にホルモンバランスの乱れが挙げられます。閉経後にエストロゲン(女性ホルモン)の分泌が減少すると、相対的に男性ホルモンの影響が強くなり、これが毛髪の成長を阻害し、薄毛を引き起こすと考えられています。

またストレスや食生活の乱れ、睡眠不足などの生活習慣の影響も大きいと言われています。これらは身体全体の健康を損ねるだけでなく、毛髪の健康にも影響を与えます。

以下の表は、女性AGAの主な原因を一覧化したものです。

原因内容
ホルモンバランスの乱れ閉経後、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌が減少し、相対的に男性ホルモンの影響が強まる
ストレス長期的なストレスは身体全体の健康を損ね、毛髪にも悪影響を及ぼす
食生活の乱れ・睡眠不足栄養不足や睡眠不足は、毛髪の成長に必要な栄養分の供給を妨げる

これらの原因を理解し、生活習慣の見直しを行うことは女性AGAの予防につながります。

5.女性AGAの特徴

女性AGAの特徴

(1)閉経後の女性に多い

女性AGAは、特に閉経後の女性に多く見られる脱毛症です。閉経は女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少し、相対的に男性ホルモンの影響が強まる時期です。この男性ホルモンの増加が、頭皮の毛母細胞に影響を及ぼし、脱毛を引き起こすと考えられています。

具体的には、以下のような変化が起こります。

〔表1〕閉経後のホルモンバランスの変化

閉経前閉経後
エストロゲン
男性ホルモン

このように、閉経後はホルモンバランスの変化により、脱毛のリスクが高まります。そのため、頭皮ケアや生活習慣の見直しを含む予防対策が重要となります。

(2)頭全体が薄くなるパターン

女性型脱毛症(FAGA)の特徴的な症状には、「頭全体が薄くなるパターン」があります。これは男性型脱毛症(MAGA)の特徴である「頭頂部から薄くなる」症状とは異なります。

具体的には、FAGAの場合、頭頂部を中心に毛髪全体が均一に細く、量が減少します。さらに、髪の生え際(額のライン)が後退するといった変化は少ないのが特徴です。このため、初期段階では自己判断が難しく、放置すると全体的な髪のボリュームダウンにつながる可能性があります。

以下に男性型と女性型の脱毛パターンの違いを表で示します。

男性型脱毛症(MAGA)女性型脱毛症(FAGA)
特徴頭頂部から薄くなる頭全体が均一に薄くなる
生え際後退する後退することは少ない

以上から、女性型脱毛症は全体的なボリュームダウンとなるため、早期の対策が求められます。

(3)治療方法・対策

男性のAGA治療方法としては、1. フィナステリドという薬剤の内服、2. ミノキシジルという塗布薬、3. 自毛植毛手術が主になります。フィナステリドは、脱毛の原因となる男性ホルモンの働きを抑制します。ミノキシジルは血流を良くして毛髪の成長を促進し、自毛植毛手術は薄毛部分に健康な毛髪を移植します。

一方、女性AGAの対策としては、ミノキシジルの使用と食生活の見直しが主となります。ミノキシジルにより血流改善と毛髪の成長を促し、バランスのいい食事で髪の健康を維持します。

どちらも早期発見と治療が重要です。特に女性AGAは進行がゆっくりなため、自覚症状が出る前に対策を講じることが望ましいです。

6.AGAの早期発見と予防

AGAの早期発見と予防

(1)早期発見のポイント

AGAの早期発見は治療成功のカギとなります。主な発見ポイントは三つあります。

1つ目は「髪の毛のボリュームの変化」です。毛髪が薄くなったり、分け目が目立つようになったら要注意です。

2つ目は「抜け毛の増加」です。一日の抜け毛が100本以上になると、何らかの異常の可能性が高まります。

最後に、「頭皮の状態」も重要なポイントです。頭皮が油っぽくなったり、かゆみや赤みが出た場合は、早めに専門医に相談しましょう。

発見ポイント具体的なサイン
髪の毛のボリューム変化毛髪の薄さ、分け目の目立ち
抜け毛の増加一日の抜け毛100本以上
頭皮の状態油っこさ、かゆみ、赤み

早期発見により、AGAは進行を止めることが可能です。日々の生活の中で髪の変化に気を付け、異常を感じたらすぐに専門医に相談しましょう。

(2)予防法と生活習慣の見直し

AGAの予防には、生活習慣の見直しが不可欠です。特に、食生活、睡眠、運動習慣に注意が必要です。

食生活では、ビタミンB群やビタミンE、亜鉛など、髪の成長に必要な栄養素をバランス良く摂取することが大切です。また、過度なダイエットは避け、体内の栄養バランスを崩さないようにしましょう。

睡眠は、身体のリカバリーに重要な要素のひとつです。夜間に分泌される成長ホルモンは、髪の成長を促進します。十分な睡眠時間を確保することは、AGA予防にも寄与します。

運動習慣は、血行を良くし髪への栄養供給を促進します。適度な運動を継続することで、髪の健康維持に役立ちます。

これらの生活習慣を見直すことで、AGAの予防につながります。健康的な生活を送り、AGAに負けない体づくりを心掛けましょう。

7.まとめ

本記事では、AGA(男性型脱毛症)と女性AGAについて、その特徴と治療法を解説しました。

男性AGAは、成人男性に多く見られ、特に頭頂部から薄くなるパターンが典型的です。治療法としては、育毛剤の利用や生活習慣の見直しが有効です。

一方、女性AGAは閉経後の女性に多く、頭全体が薄くなるパターンが特徴的です。女性も同様に、育毛剤の利用や生活習慣の改善が推奨されます。

いずれのケースでも、早期発見が鍵となります。そのためには、毛髪の変化に敏感であること、そして健康的な生活習慣を心がけることが重要です。脱毛は自身の体調や生活習慣が影響していますので、日々の生活を見直すことから始めてみましょう。

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リリモアクリニック内科歯科 院長 各務 康貴
リリモアクリニック内科歯科 院長
各務 康貴

大分大学医学部医学科卒業。医師として救急医療や在宅医療に従事し、マウスピース歯科矯正hanaravi(ハナラビ)を提供する株式会社DRIPSを創業。
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