アフターピルは避妊に失敗し、望まない妊娠の可能性がある場合に有効です。しかし、高校生だと親に相談できない、病院に行くのが怖いなど、様々な不安があるものでしょう。
この記事では、親に相談できない場合の入手方法を中心に、アフターピルについて詳しく解説します。正しい知識を身につけ、自分の体を守る方法を知っておきましょう。
1. アフターピルとは?
アフターピルは、緊急避妊薬とも呼ばれる医療用医薬品です。避妊に失敗した場合や、避妊をしないまま性行為をしてしまった場合に使用します。
緊急避妊薬の役割と仕組み
アフターピルは、避妊に失敗した時や性的暴行を受けた時などに使用する緊急避妊薬です。アフターピルに含まれるレボノルゲストレルという成分が、排卵を抑制、または遅延したり、受精卵の着床を阻害することで望まない妊娠を防ぎます。
低用量ピルとの違い
アフターピルと低用量ピルは、どちらも避妊薬ですが、その役割や使用方法に大きな違いがあります。
主な違いは以下の通りです。
項目 | アフターピル | 低用量ピル |
---|---|---|
目的 | 緊急避妊 | 計画的な避妊 |
使用タイミング | 性行為後72時間以内 | 毎日定期的に服用 |
有効期間 | 1回の性行為に対して | 継続的な避妊効果 |
ホルモン量 | 高用量 | 低用量 |
副作用 | 比較的強い | 比較的弱い |
アフターピルは緊急時の対応策として、性行為後に服用します。一方、低用量ピルは計画的な避妊のために毎日服用します。低用量ピルを服用中であっても、飲み忘れなどがあればアフターピルの併用が推奨される場合もあります。
避妊の失敗時、なるべく早く服用する重要性
アフターピルは、避妊に失敗したり性的暴行を受けたりした場合に使用する緊急避妊薬です。服用によって効果があるには時間制限があるため、できるだけ早いタイミングで服用する必要があります。
120時間以内用のアフターピルでは120時間以内であれば比較的効果が落ちづらいですが、120時間を経過すると効果は期待できません。やはりできる限り早いタイミングで服用するのが望ましいでしょう。
性行為からの時間 | ヤッぺ法 | 72時間用 | 120時間用 |
---|---|---|---|
24時間 | 約70% | 約95% | 約99% |
48時間以内 | 約30~50% | 約85% | 約98% |
120時間以内 | 120時間以内に1回 | 約98% | |
その他注意点 | 副作用が強い | 比較的どこのクリニックでも置いてある | 避妊に力をいれているクリニックでないと置いていない |
最も効果が期待できる120時間用のアフターピルは、取り扱っているクリニックが限られます。万が一の事態に備えて、入手方法や医療機関をあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
2. 高校生がアフターピルを入手する方法
高校生がアフターピルを入手する方法には、主にオンライン診療と近くの産婦人科を受診する方法があります。それぞれにメリット・デメリットがありますので、自分の状況に合わせて選択しましょう。
オンライン診療のメリット・デメリット
オンライン診療のメリット、デメリットとしては以下のようなことが挙げられます。
– メリット:誰にもバレずに自宅で入手可能、費用が比較的安価な場合も
オンライン診療の主なメリットは以下の通りです。
- 自宅にいながら診療を受けられる
- 薬局に行く必要がない
- 親や知り合いに会う心配がない
- 匿名性が高い
高校生にとって最大のメリットは、誰にもバレずに自宅で手に入れられることでしょう。受け取りはコンビニなど自宅以外でもできるので、親にバレる心配もありません。
さらに、費用が比較的安価な場合もあります。一般的な費用の目安は以下の通りです。
項目 | 費用 |
---|---|
診察料 | 0円 |
薬代 | 10,000円〜15,000円 |
送料 | 1,000円 |
病院での診療と比べると、交通費や時間的コストも抑えられるため、総合的に見て経済的な選択肢となる可能性があります。
– デメリット:受け取り方法や支払い方法をどうするか?
オンライン診療でアフターピルを入手する際の大きなデメリットは、受け取り方法と支払い方法です。
受け取り方法 | デメリット |
自宅への配送 | 勝手に開けられると中身がばれてしまう可能性がある |
コンビニや運送会社の営業所を指定 | バレる心配はないが、取りに行く必要がある。 |
支払い方法 | メリット | デメリット |
クレジットカード | 手続きが簡単 | 親のカードを使用すると発覚の危険性大 |
ATMで後払い | ・記録が残りづらい ・銀行口座がなくても現金で支払える | ATMに行って支払う必要がある |
電子マネー | 購入がバレにくい | チャージ履歴が残る可能性あり |
各デメリットをよく確認し、許容できる方法を選びましょう。
近くの産婦人科を探す
産婦人科に行って、医師の診察を受けるメリット、デメリットとしては以下のことが挙げられます。
– メリット:対面なので安心できる
対面での診療には、次のようなメリットがあります。
- 医師と直接対面で相談できるため、不安な点を質問しやすい
- 診察後すぐにアフターピルを受け取れる
– デメリット:誰かに見られる可能性がある、効果の低い薬しか置いていない場合がある
近くの産婦人科を訪れる際のデメリットとして、以下の2点が挙げられます。
- 誰かに見られる可能性がある
- 効果の低い薬しか置いていない場合がある
医療機関を受診すると、その道中に知り合いに会ってしまう可能性があります。通学路や自宅近くにあるクリニックなら、誰かに見られる可能性はより高いといえます。また、待合室では他の患者と顔を合わせるため、なんとなく落ち着かないという方もいるでしょう。
また、クリニックによって置いているアフターピルの種類が異なります。特に120時間用のアフターピルは、置いていないクリニックも少なくありません。効果の低い薬しか処方してもらえない場合もあります。
薬の種類 | 避妊成功率 | 推奨される服用可能期間 |
---|---|---|
120時間用のアフターピル | 約99% | 120(5日間)時間以内 |
ヤッぺ法、72時間以内のアフターピル | 約70~95% | 24時間以内 |
このようなデメリットはありますが、緊急時や不安が強い場合は、直接医師に相談できる産婦人科受診がおすすめです。自分の状況に合わせて、最適な方法を選びましょう。
3. オンライン診療の具体的な手順
オンライン診療でアフターピルを入手する手順は、以下の通りです。
- 予約:LINEやWebサイトから診察の予約(問診票の記入)する
- 問診:オンラインや電話で医師と面談し、必要な情報を伝える
- 処方:医師が適切と判断した場合、アフターピルが処方される
- 受け取り:指定の住所にアフターピルが配送される
費用の目安は、診察料と薬代を合わせて10,000円〜20,000円程度です。ただし、医療機関によって異なりますので、事前に確認しましょう。
また、プライバシーを守るため、配送先や支払い方法には注意が必要です。自宅以外の受け取り場所を選ぶ、保護者のクレジットカードを使用しない、などの工夫をしましょう。
オンライン診療は24時間対応の医療機関もあり、緊急時に便利です。ただし、対面診療と比べて詳細な診断が難しい場合もあるため、心配な点は医師に相談してください。
4. アフターピル服用時の注意点
アフターピルを服用する際は、以下の点に注意しましょう。
服用方法とタイミング
基本的に医師の指示に従ってください。入手後すぐに服用するのが効果的です。
副作用の可能性と対処法
人によっては、アフターピルの服用によって副作用が起こるケースもあります。主な副作用とその対処法は以下の通りです。
副作用 | 対処法 |
---|---|
吐き気 | 制吐剤の服用 |
頭痛 | 市販の鎮痛剤の服用 |
不正出血 | 経過観察(長引く場合は医師に相談) |
避妊効果は100%ではない
アフターピルは完全に妊娠を防ぐものではありません。効果を得られない場合もあるため、妊娠の可能性がある場合は、医師に相談しましょう
繰り返しの服用は避ける
アフターピルの頻繁な使用によって体調不良や月経不順を引き起こす可能性があります。あくまで緊急用の避妊薬であり、通常の避妊法として使用するのは適切ではありません。医師の指示に従い、正しく服用しましょう。
5. アフターピル以外の避妊方法
アフターピルは緊急避妊薬であり、日常的な避妊方法ではありません。普段から確実な避妊を心がけることが大切です。以下に、主な避妊方法をご紹介します。
避妊方法 | 避妊率 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
コンドーム | 約98% | 入手しやすい、STD予防 | 使用時の煩わしさ |
低用量ピル | 99%以上 | 高い避妊効果、生理痛軽減 | 毎日の服用が必要 |
避妊リング | 99%以上 | 3週間継続使用可能 ホルモン剤使用だが低用量ピルより副作用が少ない場合も | 挿入の難しさ |
これらの方法を適切に選択し、確実な避妊を心がけましょう。自分に合った避妊方法が分からない場合は、産婦人科医に相談することをおすすめします。
6. まとめ:アフターピルはあくまで緊急避妊薬。正しい避妊知識で自分の体を守ろう
高校生がアフターピルを入手したい場合、誰にも知られたくないならオンライン診療によって手に入れられます。自宅にいながら受診も薬の受け取りもできるので、誰にも知られず、手に入れられます。
ただし、アフターピルはあくまで緊急避妊薬であり、定期的な使用は望ましくありません。100%の効果を保証するものではなく、副作用のリスクもあるため、注意が必要な薬でもあります。自分の体を守るためにも、正しい避妊知識を身につけ、実践するようにしましょう。