【早漏を改善】医師が教える効果的な方法と治療法

早漏で悩む男性は少なくありません。特に若い方ほど多いものですが、全年齢層にわたり悩む方はいらっしゃいます。しかし、改善可能な症状であり、セルフケアの他、医師による治療でよくなるケースも多いでしょう。

本記事では、早漏の改善に効果のある方法や治療法について解説します。誰にも言えず、一人で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

目次

早漏の定義と症状

早漏とは、性交の際に十分なコントロールができずに早期に射精してしまうことを指します。具体的には以下のような症状があれば該当するといえるでしょう。

症状説明
短時間での射精性行為開始から1分以内の射精
射精コントロールの難しさ自分の意思で射精のタイミングをコントロールできない
性交渉への不安早漏による性交渉への不安や恐れを感じる

早漏は多くの男性が悩んでいる性機能障害の一つです。日本人男性の約3割が早漏の症状を経験しているとの調査結果もあり、決して珍しい症状ではありません。しかし、パートナーとの関係への影響や自尊心の低下など、男性にとって深刻な悩みとなり得ることもあり、ぜひ改善したい症状といえます。

早漏の悩みを抱える男性の割合

早漏に悩む男性は、世界的に見ても決して少なくありません。

国・地域早漏の有病率
世界全体約30%
日本約25%
欧米約20〜30%
中国約15%

上記の表は各国・地域における早漏の有病率を示したものです。世界全体では男性の約30%が早漏に悩んでいるとされ、日本でも4人に1人の割合で早漏の男性がいると推定されています。

また、年齢別の早漏有病率を見ると、以下のような傾向があります。

年齢層割合
20代約40%
30代約30%
40代約25%
50代以上約20%

若い世代ほど早漏の割合が高く、加齢とともに減少傾向にあるものの、高齢になっても一定の割合で早漏に悩む男性がいることがわかります。このように、早漏は特定の年代に限らず、幅広い世代の男性に見られる性の悩みだと言えるでしょう。

早漏の原因

早漏の原因は大きく分けて3つあります。

原因説明
過敏性早漏先天的に陰茎の感覚が過敏な状態で、わずかな刺激でも射精に至ってしまいます。
心因性早漏ストレスや不安、性体験の少なさなどの心理的要因が関与しています。
衰弱性早漏加齢や慢性疾患などにより身体機能が低下することで起こります。

これらの原因は単独で起こることもあれば、複数が重なって早漏になるケースもあります。

以下では、それぞれについて詳しく説明します。

過敏性早漏

過敏性早漏は、ペニスの神経が過敏に反応することが原因で起こります。特に、包皮の内側にある亀頭の裏スジ(包皮小帯)が原因となることが多いです。

過敏性早漏の特徴は以下の通りです。

特徴概要
発症時期性交渉の初めから
症状挿入直後や挿入前の刺激でも射精してしまう
勃起の程度通常は正常

過敏性早漏の場合、ペニスへのわずかな刺激でも射精に至ってしまうため、性交渉の満足度が低下します。また、早漏による自信喪失やパートナーとの関係悪化など、心理的な悩みにつながることもあります。過敏性早漏は、適切なセルフケアや治療により改善が可能です。

心因性早漏

心因性早漏とは、精神的ストレスやパートナーとの関係性の問題などが原因で起こる早漏のことです。具体的には以下のような心理的要因が考えられます。

心理的要因説明
パフォーマンス不安十分な勃起ができない、早漏になってしまうのではないかという不安
性的欲求不満パートナーとの性的な要求のミスマッチによるストレス
女性への恐怖心女性に対する漠然とした恐怖感や罪悪感
性的虐待の経験過去の性的虐待による心的外傷後ストレス障害(PTSD)

これらの心理的要因は、交感神経を優位にして射精までの時間を早めてしまいます。したがって、心因性早漏の改善には、これらの心理的ストレスを緩和することが重要です。カウンセリングによる心理療法やパートナーとのコミュニケーション改善などが有効とされています。

衰弱性早漏

衰弱性早漏は、加齢や疾患、手術などにより身体機能が低下することで発症します。

主な原因概要
加齢加齢に伴うテストステロンの低下や性機能の衰えが影響
前立腺疾患前立腺肥大症や前立腺がんなどの疾患による性機能低下
糖尿病糖尿病に起因する神経障害や血流障害による性機能不全
骨盤内手術前立腺全摘除術など骨盤内の手術による神経や血管の損傷

身体的な要因で起こる症状であるため、原疾患を治療することで改善する可能性が高まります。

また、テストステロン補充療法や血流改善薬の処方など、性機能を改善するための対症療法も併せて行われることがあります。衰弱性早漏の改善には、医師との相談と適切な治療が不可欠です。

医師が勧める早漏改善方法

医師が勧める早漏改善の方法には、以下のようなものがあります。

  • 行為中の工夫
  • 骨盤底筋のトレーニング
  • 治療薬の使用
  • ED治療薬の服用
  • 包茎治療

以下では、それぞれについて紹介します。

行為中の工夫

早漏の改善には、以下のような行為中の工夫が効果を発揮する可能性があります。

工夫内容
前戯の時間を増やすパートナーとのコミュニケーションを大切にしながら、十分な愛撫の時間を取ることで性的興奮をコントロールしやすくなります
体位の変更女性上位など、あまり刺激を感じない体位を選ぶことで射精までの時間を延ばせます
厚手のコンドームの使用通常よりも厚手のコンドームを使うことで、ペニスへの刺激を和らげることができます
深呼吸でリラックス射精感を感じたら一旦行為を中断し、深呼吸をしてリラックスすることで興奮を鎮めましょう

以下では、それぞれについてもう少し詳しく解説します。

前戯の時間を増やす

前戯を長めにすることで、パートナーの興奮が高まり、潤滑も促進されます。また、自身の興奮もコントロールしやすくなるでしょう。

具体的な前戯の方法としては、以下のようなものがあります。

前戯の方法効果
キス唾液の交換により興奮が高まる
愛撫性感帯を刺激し、性的興奮を引き出す
オーラルセックス直接的な性器への刺激で快感を与える

前戯の時間を十分に取り、パートナーとスキンシップをしっかりすることで、お互いの興奮を高め合うことができます。焦らず、ゆっくりと愛撫を楽しむことが、早漏改善につながるでしょう。

体位の変更

通常の正常位では、ペニスへの刺激が強すぎることがあります。そこで、以下のような体位を試してみましょう。

体位名効果
女性上位ペニスへの刺激が弱まり、射精のコントロールがしやすくなります
横向き腰の動きが制限され、ゆっくりとしたピストン運動ができます
スプーニング浅い挿入になるため、ペニスへの刺激が和らぎます

また、体位を頻繁に変えることで、射精感を紛らわせることができます。 パートナーとコミュニケーションを取りながら、お互いに心地良い体位を探してみてください。 体位を工夫することで、射精のタイミングを遅らせ、満足度の高い性行為が可能になるでしょう。

厚手のコンドームの使用

通常のコンドームよりも厚みのあるタイプを選ぶことで、ペニスへの刺激を和らげ、射精までの時間を延ばすことができます。

【主な厚手コンドームの例】

製品名特徴
不二ラテックス ジャパンメディカル スキン0.09mmの厚さで、強度と装着感を両立
オカモト ゼロワン 0.01ミリ0.01mmの薄さながら、高い強度を実現
相模ゴム サガミオリジナル0010.01mmの薄さで、装着感が良好

厚手のコンドームを使用する際は、装着感や強度など自分に合ったものを選ぶことが大切です。また、適切なサイズを選ぶことで、装着時の不快感を軽減し、快適に使用することができます。

深呼吸でリラックス

早漏の原因の一つとして、性行為に対する過度な緊張やプレッシャーが挙げられます。こうした心理的ストレスは、交感神経を優位にさせ、射精のコントロールを難しくさせてしまいます。

そこで、セックス中のリラックス法として効果的なのが、深呼吸です。深い呼吸は副交感神経を優位にし、心と体をリラックスさせる働きがあります。以下のように行うと良いでしょう。

  1. ゆっくりと鼻から息を吸い、口からゆっくり吐き出します。
  2. 吸う息と吐く息の長さを同じくらいに保ちます。
  3. 1回の呼吸を6秒程度(吸う3秒、吐く3秒)を目安に行います。
  4. 射精感を強く感じたら、ペニスから刺激を離して深呼吸に集中します。

深呼吸に意識を向けることで、射精までの時間を少しずつ伸ばしていくことができるでしょう。パートナーにも深呼吸の効果を伝え、二人三脚で早漏改善に取り組んでいきましょう。

骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)

骨盤底筋は、尿道や肛門を囲むように存在する筋肉群で、これらを鍛えることで射精のコントロールが向上し、早漏の改善に効果的です。骨盤底筋トレーニングは、ケーゲル体操とも呼ばれています。

ケーゲル体操の手順は以下の通りです。

  1. 尿を我慢するときに使う筋肉を意識する
  2. その筋肉を5〜10秒間締め、ゆっくりと緩める
  3. これを1セットとし、1日3セット程度行う
  4. 徐々に持続時間と回数を増やしていく

【ケーゲル体操の1セットあたりの時間と1日あたりに行う回数の例】

期間1セットの持続時間1日の回数
1週目5秒3セット
2週目7秒3セット
3週目以降10秒3セット

ケーゲル体操は座位や立位など様々な姿勢で行えますが、他の人に気づかれないよう、自然な姿勢を保ちながら行うことが大切です。継続的に行うことで、早漏改善の効果が期待できます。

早漏治療薬の服用

治療薬を用いる場合は、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)が処方されます。SSRIは本来うつ病の治療薬ですが、射精までの時間を延長する効果もあるため、早漏治療にも用いられています。

他に代表的な早漏治療薬としては以下のようなものが挙げられます。

薬剤名主な副作用
パロキセチン眠気、倦怠感、下痢
セルトラリン吐き気、食欲不振、不眠
フルボキサミン眠気、口渇、便秘

これらの薬剤は医師による処方が必要です。服用により射精までの時間が数倍に延長すると報告されていますが、副作用にも注意が必要です。また、服用を中止すると早漏症状が再発する可能性があるため、医師と相談しながら服用期間を決める必要があります。

ED治療薬の服用

早漏治療にはED治療薬の服用も有効です。ED治療薬には以下のような種類があります。

ED治療薬有効成分
バイアグラシルデナフィル
レビトラバルデナフィル
シアリスタダラフィル

これらのED治療薬は、性行為の30分から1時間前に服用することで、射精までの時間を延長させる効果が期待できます。

ただし、ED治療薬は医師の処方箋が必要な医薬品です。服用前には必ず医師に相談し、自身の体質や健康状態に合わせた適切な薬剤と用量の指導を受けましょう。

また、高血圧や心臓病などの持病がある方は特に注意が必要です。副作用の可能性もあるため、服用中は医師との連携を密にすることが大切です。

包茎治療

包茎は早漏の一因となることがあるため、治療により早漏を改善できる可能性があります。包茎治療には以下のような方法があります。

治療法概要
用手的包皮剥離局所麻酔下で包皮を無理に剥離する
環状切開術包皮口の狭い部分を環状に切開する
背面切開術包皮を背面で縦に切開し、余剰部分を切除する
包皮環状切除術余剰包皮を環状に切除し、残った包皮を縫合する

治療法は包茎の程度や患者の希望により選択します。治療により包皮の可動性が向上し、亀頭の感覚過敏が改善することで、早漏が改善する可能性があります。

ただし、包茎治療のみで早漏が完治するわけではないため、包茎治療と並行して他の早漏改善法を実践することが大切です。

早漏の予防法

早漏を予防するためには、自慰行為の見直しと生活習慣の改善が重要です。

自慰行為の見直し

多くの男性は、性行為をイメージしながら素早く自慰行為を済ませる傾向にあります。しかし、これでは早漏の原因となる過敏な状態を助長してしまいます。

自慰行為の際は、以下の点に気をつけましょう。

自慰行為の改善ポイント
ゆっくりとしたペースで行う
射精寸前で一時的に中断する
性的な妄想を控えめにする
適度な間隔を空ける(週に1〜2回程度)

これらを意識することで、ペニスの過敏さを和らげ、射精のコントロール力を高めることができます。自慰行為の見直しは、早漏予防の第一歩として取り組むべき重要な方法の一つです。

生活習慣の改善

早漏の予防や改善には、以下のような日々の生活習慣の見直しも重要です。

生活習慣改善方法
食事バランスの取れた食事を心がける。亜鉛を多く含む食品(牡蠣、レバーなど)の摂取も効果的。
睡眠質の高い睡眠を十分にとる。寝る前のスマートフォンの使用は控えめに。
ストレス管理ストレス解消法を見つける。瞑想やヨガ、趣味の時間を持つなど。

それぞれについて詳しく解説します。

バランスの取れた食事

早漏の予防や改善には、バランスの取れた食生活が大切です。特に以下の食品は積極的に取り入れましょう。

食品効果
亜鉛を多く含む食品(牡蠣、レバー、カボチャの種など)男性ホルモンの生成を促進し、性機能を高める
ビタミンEを多く含む食品(アーモンド、アボカド、ほうれん草など)血行を改善し、性器の感度を適切に保つ
緑黄色野菜抗酸化作用により、性機能の低下を防ぐ
豆類植物性タンパク質が性機能の維持に役立つ

逆に、早漏を悪化させる可能性のある、次のような食品は控えめにします。

  • 刺激物(コーヒー、紅茶、アルコール、タバコなど)
  • 脂肪分の多い食事
  • 過度の糖分摂取

バランスの取れた食事と適度な運動を心がけることは、早漏の予防と改善に役立ちます。

質の高い睡眠

睡眠は早漏の改善と予防に大きな影響を与えます。質の高い睡眠を取ることで、ストレスが軽減され、性機能が向上します。以下の表は、質の高い睡眠を得るためのポイントをまとめたものです。

質の高い睡眠のポイント説明
規則正しい睡眠リズム毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる
快適な睡眠環境寝室を暗く、静かに保ち、適度な温度に調整する
就寝前の習慣就寝の1時間前からは、電子機器の使用を控え、リラックスできる活動を行う
適度な運動日中に適度な運動を行うことで、夜の睡眠の質が向上する

これらのポイントを実践することで、深い睡眠を得ることができます。質の高い睡眠は、身体の回復を促進し、ストレスを軽減します。その結果、性機能が向上し、早漏の改善や予防につながります。

ストレス管理

ストレス管理は早漏の予防・改善に重要です。ストレスは自律神経のバランスを乱し、早漏の原因となることがあります。以下のようなストレス管理法を取り入れましょう。

ストレス管理法具体的な方法
運動ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を定期的に行う
瞑想深呼吸や静かな場所で心を落ち着ける時間を持つ
趣味好きなことに没頭し、ストレスから離れる
コミュニケーション家族や友人と会話を楽しみ、ストレスを発散する

また、仕事や人間関係などのストレス源を特定し、可能な範囲で改善することも大切です。ストレスと上手に付き合い、心身のバランスを保つことが早漏の予防・改善につながります。

早漏治療のステップ

早漏の治療は段階的に進めていくことが大切です。まずはセルフケアで改善を試み、それでも効果がなければ医師に相談するとよいでしょう。

セルフケアでの改善

早漏の改善には、以下のような方法が効果的とされています。

  • 行為中の工夫
  • 骨盤底筋のトレーニング(ケーゲル体操)

これらを継続的に行うことで、多くの男性が早漏の症状改善を実感しています。

医師への相談

早漏の改善が自己流の対処法では難しい場合は、泌尿器科や男性外来などの専門医に相談するのが賢明です。

早漏についての相談は以下の流れで進むのが一般的です。

  1. 症状や悩みの説明
  2. 医師による問診や検査
  3. 早漏の原因特定
  4. 適切な治療法の提案
  5. 治療開始と経過観察

医師は、あなたの症状や原因を丁寧に聞き取り、最適な治療法を提案してくれます。早漏は、医師との相談と適切な治療によって、多くの場合改善が可能な症状です。恥ずかしさから相談を躊躇する方もいるかもしれませんが、多くの男性が抱える悩みの一つでもあり、医師はあなたの悩みに真摯に向き合ってくれるでしょう。一人で悩まずに、ぜひ泌尿器科や男性外来などの専門医に相談することをおすすめします。

早漏治療の注意点

早漏の治療をする際は、以下の注意点について知っておくとよいでしょう。

外科的治療は推奨されていない

早漏の外科的治療法には以下のようなものがありますが、一般的には推奨されていません。

治療法内容
亀頭形成術亀頭部の過敏な神経を切除・焼灼
背神経切除術ペニスの背神経を切除

これらの治療は効果が不確実であるだけでなく、術後の合併症リスクも伴います。

外科的治療による早漏改善の根拠は乏しく、ペニスの感覚低下や勃起不全などの副作用の可能性もあるため、専門医の間でも推奨されていないのが現状です。

早漏でお悩みの方は、まずは行動療法や内服薬などの外科的治療以外の治療から始めることが賢明と言えるでしょう。改善が見られない場合は泌尿器科専門医に相談し、適切な治療法を検討することが大切です。

専門医による診断と治療の重要性

早漏の治療法を選択する際は、必ず泌尿器科や男性更年期外来などの専門医に相談することが大切です。早漏の原因は多岐にわたるため、専門医による適切な診断なしに治療法を選択すると、効果が得られない可能性があります。

専門医の役割詳細
原因の特定問診や検査により、早漏の原因を特定する
治療法の提案原因に応じた最適な治療法を提案する
治療経過の観察治療の効果や副作用を定期的にチェックする

専門医は、患者の状態を総合的に判断し、以下のような治療法を提案します。

  • 早漏治療薬の処方
  • 性感行動療法の指導
  • カウンセリングの実施

早漏の悩みを抱える男性は、恥ずかしさから専門医への相談を躊躇する傾向にありますが、適切な治療により改善が可能です。まずは勇気を出して専門医に相談しましょう。

まとめ

早漏は、適切な治療によって改善できます。セルフケアによって改善する場合もありますが、効果が見られなければ専門医に治療をすることで改善するケースも多いでしょう。

恥ずかしさから相談を躊躇する男性も多いですが、専門医に相談することが改善への第一歩となります。早漏の悩みを抱える男性は、一人で悩まずに、ぜひ専門医に相談してください。

あなたは一人ではありません。早漏の悩みを乗り越え、充実した性生活を取り戻すことができます。一歩踏み出す勇気を持って、早漏改善への道のりを歩んでいきましょう。

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